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病気・障害の知識 転倒・骨折カテゴリー:病気・障害の知識

投稿日:2017/09/14

病気障害の知識 転倒・骨折

おばあさんの転倒高齢になると、運動機能が低下し、転びやすくなります。

さらに、骨に密度が低下しているため、転んだときに、骨折しやすくなります。

転倒・骨折は、日本人の要介護の原因の第4位となっています。
(平成25年、厚生労働省)

高齢者に多い4大骨折

4大骨折
高齢者が骨折しやすい部位は、手首(橈骨遠位端骨折)、肩(上腕骨骨折)、背骨(脊椎圧迫骨折)、股関節(大腿骨頸部骨折)です。

高齢者に多い4大骨折とも言われています。

例えば、前に転んで手をついたり肩を打ったりすると手首や肩の骨折、後ろに転んで尻もちをつくと背骨の骨折、横や斜めに転ぶと股関節の骨折となるわけです。この中でも特に要介護につながりやすいのが、大腿骨頸部骨折です。

大腿骨頸部骨折

大腿骨頸部骨折者数は年々増加し、2007年に148,100人となっています(骨粗鬆症学会)。大腿骨頸部とは、太ももの付け根のことです。この部分は、くびれのように細くなっているので、転倒したときに骨折しやすいのです。
さらに、血流が少ないので、骨折しても自然に治ることはほとんどなく、多くの場合は、手術となります。

手術となると、しばらくの間は、入院生活となります。ベッド上にいる時間が長く自由に動けない生活が続きます。そうすると、筋肉が衰えたり、体力が低下したり、人によっては認知症の症状が出てきたり、全体的な機能低下が生じ、寝たきりにつながりやすいのです。

骨折して手術をした場合、数ヶ月の入院・リハビリ生活を経て家などに戻るわけですが、一般的には、骨折前よりも、やや機能が低下した状態に落ち着くことが多いです。
例えば、元々何も持たずに歩けていた人は、骨折後のリハビリを経て杖歩行に、杖歩行だった人は、歩行器歩行に、歩行器歩行だった人は、訓練時は平行棒で歩けるけど普段は車いす移動、という感じです。

転んでから寝たきりに?

よく「あの人は、転んでから寝たきりになった」という人がいますが、そもそも、骨折前から徐々に身体機能が低下し、ついに転ぶほどに身体が弱ってしまっていたわけです。人間は、直立二足歩行ができる動物です。
その2本の足で体重を支えきれずに転ぶというのは、重大なことなのです。
転倒・骨折からの寝たきりを防ぐには、元々の身体機能を高い状態で維持しておくことが大切です。

転ばぬ先の杖

杖をついて歩く身体機能を維持するためには、普段から身体をよく動かすことです。そのためには、家に閉じこもらずに、外出する機会があることが大事です。しかし、高齢になり、バランスが低下してくると、外出がおっくうになったり、不安になったりするものです。
もし、バランスが低下してきたなと感じたら、まずは、外を歩くときに杖を使ってみましょう。杖を使うことで、歩くときの安定性は向上し転倒予防になります。
また、万が一、転倒して骨折してしまった場合でも、その後のリハビリで杖を使った歩行練習がスムーズにできるので、回復が早いでしょう。
「転ばぬ先の杖」といいますが、転んで骨折してから杖を使い始めるのではなく、転ぶ前に、杖を使い始めることが大切です。

周りの理解やサポートと環境整備

それから、もう1つ。高齢者が最も転倒しやすい場所は、「自宅内」です。いつも過ごしている家の中で、実際に多くの転倒事故が起こっているのです。

そこで、家の中の環境を整えることも大事です。家の中に、転びそうな要因はありませんか?

対策として、例えば、

  1.  床のものは片づける
  2.  段差や階段には、手すりを取り付ける
  3.  照明を明るくする(夜間でも廊下の照明をつけておく)

このような対策を、周りの人(ご家族など)からも、積極的に提案していただきたいなと思います。高齢者が転倒を予防するには、ご本人の努力だけでなく、周りの理解やサポートも大切になってきます。

転倒・骨折を防ぎ、いつまでもご自分の足でイキイキと歩ける人生を送りましょう。

 

監修:徳山 和宏(徳山オフィス代表 理学療法士)

株式会社マルトク ヘルス事業部
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