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病気・障害の知識 廃用症候群(生活不活発病)カテゴリー:病気・障害の知識

投稿日:2018/10/15

廃用症候群(生活不活発病)

廃用症候群とは

廃用症候群とは、身体を動かさないことにより生じる、全身の様々な機能低下のことをいいます。

昔から、病気になると「安静にしましょう」と言われてきました。これは、なるべく身体を動かさないことにより、身体の自然回復力を促して病気を治していく、という医学の基本的な考え方です。

ところが、安静にし過ぎると、逆に身体には良くないこと(悪影響)がある、ということが最近分かってきました。しかも、特に高齢者では、その影響が大きいようです。

廃用症候群の症状

安静にし過ぎると、身体のどんな機能が低下するのでしょうか?

分かりやすいところでいうと、まずは「筋肉」。筋肉の力(筋力)は、日々、筋肉を使うことによって維持されています。絶対安静(寝たまま、全く身体を動かさない状態)では、筋力は1日3%落ちると言われています。1週間で10~15%の低下、3週間で30~60%も筋力が低下すると言われています。筋力というのは、我々が思っているよりも早く低下していくのです。

ただこれは、「絶対安静」の場合の話です。普段は元気な人が、インフルエンザなどの病気で、数日、自宅で安静にしたとしても、トイレに行くときは歩いていくでしょうし、ご飯を食べるときはなんとか身体を起こして座って食べるでしょう。歩くときに足の筋肉を使い、ご飯を食べるときに手や腕の筋肉、姿勢を保つための筋肉などを使っているので、そこまで筋力は落ちません。

ところが、普段から介護が必要な高齢者が、肺炎で2~3週間入院したとしましょう。病院の中での生活は、ほとんどベッド上となってしまいます。ベッド上でご飯を食べ、排泄もオムツやカテーテルとなり、入浴だってお風呂には行かずに看護師さんがベッド上で身体を拭いてくれるかもしれません。このような状態は、絶対安静に近く、筋力はどんどん落ちていきます。2~3週間の入院で、肺炎は治ったとしても、筋力が20~30%落ちてしまって、元々歩けていたのに、退院後は歩けなくなった・・・という人も、実際におられます。元気になるために入院したはずなのに、これでは本末転倒です。

そして、安静によって機能が低下するのは、筋肉だけではありません。他にも、身体のあらゆるところが機能低下を起こしてきます。下に例を挙げます。

  • 筋肉・・・萎縮する、筋力が低下する
  • 骨・・・萎縮する、骨がもろくなる
  • 関節・・・動きにくくなる、関節拘縮が起きることもある
  • 心臓・・・心臓の拍出力と、血液を循環する力が低下する
  • 肺・・・呼吸しづらくなる、呼吸が浅くなる
  • 脳・・・ぼける、ぼーっとする、意欲がなくなる
  • 皮膚(褥瘡)・・・圧迫された部分が傷(褥瘡)になる
  • 深部静脈血栓・・・血が固まりやすくなり、血栓ができる
  • 消化器(胃・腸など)・・・食欲がなくなる、便秘になる

 

生活不活発病

このような症状は、絶対安静にしていれば、誰にでも必ず起こりますし、絶対安静とはいわないまでも、不活発な生活を続けていると、徐々にこれら全身の機能が低下してきますので、「生活不活発病」とも言われています。

何らかの病気や障害を抱えた高齢者の方は、施設や在宅で不活発な生活になりやすいので、常に廃用症候群の危険と隣り合わせです。寝たきりになるのは、ケガや病気そのものが原因ではなく、ケガや病気の後、不活発な生活が続き、廃用症候群が進んだ結果といえる場合がほとんどです。

年をとっても、たとえ病気や障害を持っても、自分らしく、イキイキと人生を送るためには、廃用症候群の予防が不可欠です。

必要以上の安静は×

高齢者に対して「無理しない方がいいですね~」と、一見、優しそうなご家族や介護職は、実は、廃用症候群を助長しているのかもしれません。確かに年をとって病気や障害があると、ご本人はしんどいことが多いですが、プロの介護職は、上手に声かけをして身体を動かすきっかけを作っていきます。

高齢者自身も、周りで関わる人達も、廃用症候群の恐ろしさを正しく理解し、必要以上に安静にさせないことが大切です。

株式会社マルトク ヘルス事業部
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